プロ野球実況30年の人気アナが下北沢でコント作家デビュー!

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7月8日(土)と9日(日)の2日間、下北沢の小劇場「ステージカフェ下北沢亭」で、8人の作家によるショートコントが繰り広げられる演劇×コント公演「えいえい とー!(えいと)」が上演され、昼と夜で合計4ステージ行い、合計160名以上の観客を動員した。

プロ野球実況30年の人気アナが下北沢でコント作家デビュー!

「えいえい とー!(えいと)」とは、放送作家の大塚早貴が主催となり、明治大学で演劇学を専攻していた頃の仲間や、放送作家として活動する中で出会った面オモシロイ人たちを集めて「ヤバイ舞台を作ろう!」と立ち上げた劇団である。

その“オモシロイ人”の一人が、ニッポン放送のプロ野球中継「ショウアップナイター」でおなじみの松本秀夫アナウンサー。松本アナは早大卒業後の1985年にニッポン放送に入社し、87年にプロ野球実況デビュー。その後もスポーツ中継や競馬中継などを担当し、看板アナとして活躍後、2017年春にフリーアナに転身。やりたかったことの一つが舞台であった。

松本アナのコントの前には、紹介VTRが流れ、数々の大物野球選手との伝説のエピソードが暴露・・・また、松本アナも大学時代に演劇をやっていて、「演劇集団キャラメルボックス」の創設メンバーであることが明かされた。

プロ野球実況30年の人気アナが下北沢でコント作家デビュー!

松本アナが描いたコントは「アナウンス指導」「野球ノイズ」「金魚鉢」の3本。

「アナウンス指導」では、主人公の新人アナウンサーが、怖い先輩アナウンサーから厳しい指導を受けるという内容。(しかし、その先輩アナがいざ放送席に座ると、後輩に教えたことが自身は何一つ守れていない)アナウンサーだからこそ、野球実況用語もふんだんに盛り込み、先輩後輩関係もリアリティたっぷりにコントを書き上げた。

プロ野球実況30年の人気アナが下北沢でコント作家デビュー!

コント「アナウンス指導」

「野球ノイズ」では、アナウンサーが一生懸命実況をしているところに、野球解説者の“ざとざきさん”が「いや~(それは違うでしょう~)」と、いちいち水をさしてくるというシチュエーション。実況と解説の嚙み合わないやりとりを面白く書き上げた。(どちらも松本アナの周りの実在の人物を連想させるが、フィクションであり、実在の人物は関係ない)

プロ野球実況30年の人気アナが下北沢でコント作家デビュー!

コント「野球ノイズ」

松本アナが執筆したコントは「野球ネタ」にとどまらなかった。

「金魚鉢」では、裸に赤いパンツ1丁の男が2人登場。よく見てみると…口をパクパクしながらゆっくりと舞台上を泳いでいる。エサを取り合ったり、片方の金魚が相手のフンを食べようと追いかけたり…全編セリフ無しのパントマイムで、金魚の滑稽さを表現したコントであった。

プロ野球実況30年の人気アナが下北沢でコント作家デビュー!

コント「金魚鉢」

松本アナは作家としてコントを書いたのは初めて。そう思わせないくらい、しっかりと書き上げたコントで、仕掛けたところで確実に笑いを取り、鮮烈なコント作家デビューを飾った。

イベントを終えた松本秀夫アナウンサーは下記のようにコメントを寄せた。

いやぁ楽しかった‼︎先日、55歳にして初めて芝居作りに参加しました。ニッポン放送の才気あふれる放送作家さんら8人の競作によるショートコント芝居で、私も3本書かせてもらったんです。

2ヶ月くらいの間に、役者さんたちはじめ多くのスタッフは、100時間くらい稽古を重ねました。私は取材や放送の合間に全部で10時間ほどしか顔を出せませんでしたが、それでも区民センター等の一室で、汗を流す彼らのほとばしるエネルギーからどれほどパワーをもらったことか。

役者さん、監督さん、音響照明さんはじめ、スタッフ全員がひとつになって、作品を少しずつ練り上げて行くプロセスは、
ともすれば日々の流れ作業になりがちな生放送に携わっている身には非常に新鮮でした。

特に、幕が開けて全4公演の中で、さらに議論を続けるうちに作品がどんどん完成度を高めて行くさまは圧巻でした。私の書いたコントは野球ネタが2本、金魚に扮したパントマイムが1本。どれもくだらない内容でしたが、スタッフ全員の知恵と努力で、とりあえず笑える作品に仕上げていただいたことには大感激です。

打ち上げも楽しかった。目を潤ませる女性スタッフもいましたが、その気持ちわかります!この「究極の連帯感」を極めるべく、女座長は次の公演を画策中。さらに大きな話題を引っさげて挑むつもりですので、乞う、ご期待‼︎

プロ野球実況30年の人気アナが下北沢でコント作家デビュー!

松本アナの作品以外にも、シュールなもの、ベタなもの、ぶっ飛んだもの…作家8人8色のネタが合計34本、溢れ出るマグマのような勢いで披露され、会場は観客の大笑い、クスクス笑い、様々な笑いに包まれた。演じたのは男5人、女6人、合計11人の舞台俳優。最年少は19歳、子供を持つお母さんまで、さまざまな人生経験を持つ役者が集まっている劇団だ。

「えいえい とー!(えいと)」は、舞台俳優が演じるからこそ表現できるパワーとテクニックで、新しい笑いに挑戦していく。そして、“下北沢のザ・スズナリで公演を打つ!”という目標に向かって、さらに面白い舞台を作るため、次の公演の準備に取り掛かっている。

【コント・セットリスト】
1、ポチ(宮井浩行)
2、ボディコンの女(大塚早貴)
3、藤田ラニエ式言語(大塚早貴)
4、くちばし大臣(宮井浩行)
5、不老不死①(チェ・ひろし)
6、1000円あげる人(チェ・ひろし)
7、不老不死②(チェ・ひろし)
8、居酒屋 其の一(松下芳和)
9、スキマvs隙間埋め太郎(宮井浩行)
10、シェアさせていただきます(チャッピー加藤)
11、護衛(コピティウス)
12、水のレストラン(大塚早貴)
13、スキマvs隙間埋め太郎(宮井浩行)
14、インチキおじさん(松下芳和)
15、忘れもの(松下芳和)
16、英語教師(宮井浩行)
17、インチキおじさん(松下芳和)
18、きき茶(コピティウス)
19、居酒屋 其の二(松下芳和)
20、不老不死③(チェ・ひろし)
21、アナウンス指導(松本秀夫)
22、調教師されたイルカ(阿部藤)
23、段差気をつけてください(大塚早貴)
24、チャイナに行っチャイナ(チャッピー加藤)
25、コンサート(コピティウス)
26、金魚鉢(松本秀夫)
27、野球ノイズ(松本秀夫)
28、庭園(阿部藤)
29、チョップ(チェ・ひろし)
30、姉妹(宮井浩行)
31、断線(宮井浩行)
32、巨大オムライスちゃん(チェ・ひろし)
33、インチキおじさん(松下芳和)
34、CD−R(チェ・ひろし)

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