坂田亘は、小池栄子の旦那だから「RIZIN」に出場できた!?

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■榊原信行氏インタビュー 第2回(計3回)

年末、大晦日(12月29日、31日)に、さいたまスーパーアリーナにて開催される格闘技の祭典「Cygames presents RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUND / Final ROUND」。いよいよ目前に迫ってた今回、今大会でも反響の大きい、坂田亘VS桜井“マッハ”速人戦に至った経緯について榊原実行委員長にインタビュー。注目の試合はもとより、坂田選手の妻・小池栄子さんについても語ってもらいました。

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編集部:坂田亘選手VS桜井マッハ選手のカードは、いろんな意味で大きな話題になりましたね。記者会見では、このカードは1年前から計画されていたとか。

榊原:坂田亘選手の試合は、去年の年末の大会が終わった直後から、坂田選手の妻・小池栄子さんが「RIZIN」への対戦直訴から始まった話しなんです。小池さんが「坂田亘の格闘技人生の集大成をやらせたい!」と…おっしゃって。この坂田亘VS桜井“マッハ”速人戦は、テーマとしては坂田亘と小池栄子の「夫婦の愛の物語」。根底には“愛”なんですよ。小池さんが夫に対する愛のパワーで全てを突き動かして試合を組んだのに、対戦相手の桜井選手から返り討ちの「公開処刑」に遭ってしまう…。一体どんな愛の物語やねんていう(笑)。

■桜井“マッハ”速人が、坂田亘を公開処刑!?

編集部:まだ戦う前ですが、公開処刑は決まっているんですか!

榊原:公開処刑でしょうね。坂田選手は、総合格闘技から13年離れている。坂田亘個人としてはプロとしても、男の魅力としても、間違っても「RIZIN」には上がれる強さはありません。「RIZIN」に上がりたいという選手は、たくさんいて、参戦をオファーしたい「順位」というか「キャスティング」でいうと、坂田選手は、枠外というか想定外の選手なんです。

編集部:それでも、坂田選手を「RIZIN」に上げた理由とは?

榊原:ただ、ただ、小池栄子さんの旦那であるというのが、今回の出場が決まった最大のポイントですね。小池さんが、並々ならぬ思いで、どうしても来年、「RIZIN」の舞台に旦那をあげたいという情熱から、この試合の計画はスタートしたんです。

彼女は、私のところにも、高田延彦本部長のところにも、「旦那をリングに上げてほしい!」とアピールして来ましたし…。旦那と出会って、自分が愛した時は、もっとピカピカで強くてカッコよかったのに、それがいつのまにか、自分(小池栄子)の個人事務所の社長に収まっていることに対して、彼女自身不満もあるし、「私が愛した坂田亘はもっとやれるはずだ」と。もう1回、個人として、また1人のファンとして、全力で戦う姿を、最後に見てみたいという純粋な思い。そして、男として踏ん切りをつける舞台を、妻である彼女は、自分が努力をすれば作り出せるのなら、作り出してあげたいという、強い気持ちが、我々を突き動かしました。

編集部:そんな熱すぎる思いに応えて坂田亘選手も、この1年間、相当なトレーニングを積んで試合に挑むみたいですね。

榊原:坂田選手も、13年ぶりの総合格闘技で、錆び付いた体を鍛え直して、嫁さんに対する思いや尊敬、経緯も含めて、やってやろうと。今年の1月から1年かけて鍛え直してますからね。もう、15キロくらい減量して、そこから筋肉をつけて、トレーニングをして、本人の中ではそうとうな準備が出来ているはずです。

編集部:それでも、試合は公開処刑になりそうだと…(笑)。

榊原:小池栄子さんから、1年前に「RIZIN」参戦をアピールされた時、「お手盛りのてきとうな選手と戦わせて、旦那を勝たせたいわけじゃない。やるからには強い選手と、それも危険な相手を用意して欲しい」と言われまして。

編集部:小池栄子さんも、「RIZIN」という大会に恥じない相手と戦わせたいんですね。

榊原:そこまで言うなら、そういう戦いにぴったりな選手をこっちも用意しようと、桜井“マッハ”速人選手を対戦相手に指名しました。彼は、空気を読まずに、ガンガン戦ってくれるには持ってこいですしね(笑)。

編集部:桜井“マッハ”速人選手は、坂田選手が記者会見に小池栄子さんを連れてきた時も、鋭い眼光で終始不機嫌な表情を浮かべてましたね。「相手の心を折ってやる戦いをする」という発言もありました。

榊原:この試合は、小池栄子さんと坂田亘選手のドラマに少しでも理解を示して戦ったら負けだと思うんです。とはいえ桜井選手が、記者会見で、坂田選手だけでなく、小池さんの同席に「小池さんは関係ない人」と、不機嫌モードで噛み付いてきたのにはびっくりしました(笑)。まぁ、リアルな夫婦ストーリーでもあるし、坂田選手には13年ぶりの総合格闘技に全力をぶつけて欲しいですね。これこそ、「日本の大喧嘩」のタイトルにふさわしいカードですし。

■格闘技は男子だけのものではない! “ジョシカク”にも注目!!

編集部:小池栄子さんは「リング外」からの参加ですけど、リング上の女子格闘技(ジョシカク)も、今大会の目玉の一つですね。12月29日、31日と2日間で5試合も、女子の総合格闘技の試合があります。

榊原:中井りんVS村田夏南子なんて、日本の女子格闘技のトップアスリート同士の試合と言ってもいい。面白い戦いになると思いますよ。UFC参戦経験のある中井りんと、レスリングでは吉田沙保里選手のライバルである村田夏南子。これは、きっと世界レベルの戦いになるでしょう。

編集部:前回、9月の「RIZIN」の大会で、元アマレス女王の山本美憂選手を破ってブレイクしたRENA選手も注目ですね。

榊原:RENA選手は、「持っているもの」がありますね。ひとつのジャンルを光らせるのって、1人のアイコン的存在が必要だと思うんです。ゴルフの石川遼選手や、テニスの錦織圭選手、フィギュアの羽生結弦選手とか。彼女はタレント性もあるし、ルックスもいいからメディアの出演機会も増えてきている。ジョシカクが今後人気を集めるアイコン的存在としての求心力があります。年末の戦いだけでなく、2017年は、実績や名前のあるトップアスリートとしのぎを削りあって、ジョシカクを盛り上げていってほしいですね。

編集部:ジョシカクが盛り上がれば、有望な女子アスリートがたくさん集まってきそうですね。「RIZIN」は日本レスリング協会と協力関係がありますし、今大会では、吉田沙保里選手の参戦も噂に上がりましたが…。

榊原:吉田沙保里選手も今後「RIZIN」に上がる可能性はあるかもしれません。村田夏南子選手も、東京オリンピックの日本代表を目指していますし。今後、新たな逸材が現れることも期待してます。これからジョシカクを、どんどん盛り上げていくつもりですし、皆さんにも注目してほしいですね。

<次回に続く>

[RIZIN]公式サイト http://jp.rizinff.com/

【取材・文:allnightnippon.com編集部 石川キンテツ】

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