武井咲と柳田理科雄のラジオ空想科学研究所

注目の美少女タレント！武井咲と300万部の大ベストセラー「空想科学読本」の著者にして、空想科学研究所主任研究員である柳田理科雄が夢のコラボレート！
アニメや映画、特撮の「あの名場面」を科学の視点から鋭く分析するという「空想科学」の世界を、日頃忘れていた理科や数学の話も織り交ぜながら「分かりやすく、痛快に、面白く」展開します。
二人の研究活動に是非ご期待ください！

武井咲

2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」モデル部門賞・マルチメディア賞を受賞。06年から「SEVENTEEN」（集英社）の専属モデルを務める。テレビドラマ「オトメン」「GOLD」でのレギュラー出演のほか、CM・雑誌で活躍。愛知県出身の16歳。

柳田理科雄

1961年鹿児島生まれ。
ベストセラー『空想科学読本』著者で、現在は空想科学研究所・主任研究員。
明治大学理工学部物理学科の非常勤講師を務めるなど、多岐にわたって活躍する理系作家。

更新日： 5月 2日



４／３０放送の研究テーマは、『金太郎武勇伝』でした。金太郎は、神奈川県の足柄山の山奥にお母さんと２人で住んでいました。お父さんは強い侍でしたが、戦で死んでしまったのです。小さい頃から力持ちだった金太郎は、２１歳の時に源頼光（みなもとのよりみつ）の家来となり、坂田金時（さかたのきんとき）と名乗って、頼光を守る四天王の１人として活躍したと言われています。今回は、そんな金太郎が残した数々の武勇伝を科学的に研究しました。 ★金太郎は反抗期だったかもしれない！　歌にもあるように、金太郎は大きなマサカリを担いでいます。これは、金太郎に力がついたことを　知ったお母さんが与えたものです。小さな子どもに、そんな危ない刃物を持たせるなんて、　教育方針に問題ありますよね？　でも、山奥の生活には、どんな危険が待っているか分かりません。実際に、金太郎はクマに遭遇した　のだから。しかし、金太郎はマサカリを使わずクマを相撲で倒しました。金太郎の力は、お母さんの　予想を超えて強かったのです。　また、ある日、金太郎が動物たちを連れて山を歩いていると、谷川にかかった橋が、前の日の大雨で　流されていました。そこで金太郎は、大木をええいっと押すと、メキメキ～ッと根こそぎに倒れて　橋になりました。なんて力持ちなんでしょう！　でも、さすがにそこはマサカリを使う場面だとは　思いませんか？　お母さんの願いをそこまで無視しなくてもいいですよね？　　まるで、せっかくお母さんがお弁当を持たせてくれたのに、食べずにパンを買うようなもの。　金太郎はその若さで、反抗期だったんですかね？ ★金太郎の強さは、まるで金太郎アメのようだ！　金太郎の強さは、半端ではありませんでした。クマを相撲で倒したといっても、相撲みたいに投げたわけ　ではありません。頭の上に持ち上げてポーンと放り上げ、落ちてくるところを抱きとめて「参った」と　言わせたのです。本州に住んでいるのはツキノワグマ。体重は１２０㎏前後。これを持ち上げただけでは　なく、ポーンと放り上げたのだからスゴイ！　　さらに、それよりスゴイのが、木を押し倒したこと！　よく、台風の後、木がなぎ倒されますが、大きな木　になると、風速３０ｍや４０ｍでは倒れません。ここでは、風速５０ｍで大木が倒れるとしましょう。　金太郎が倒した木が高さ１０ｍで、枝や葉が地上２ｍの高さから、５ｍの幅で茂っていたとします。　風速５０ｍの風で、この木に働く風圧はおよそ１０ｔ！　しかも、風の力は平均して地上６ｍの高さに　かかりますが、金太郎は、どんなに頑張っても地上１ｍぐらいの高さにしか力をかけられません。　すると、「てこの原理」で、金太郎は風の６倍の力を出さなければなりません。金太郎は風の６倍の力を　出さなければならないので、１０ｔの６倍は６０ｔ！　クマどころか、アフリカゾウを１０頭持ち上げられ　ます！　金太郎の強さはどの武勇伝を取ってもスゴイ！　まさにどこを切っても同じ顔の金太郎アメ状態！　さらに恐るべきは、金太郎がまだ子供だということ。ふんどしもはかず、腹掛けだけで暮らしている所を　みると、かなり幼い。どんなに大きくても幼稚園児、５歳ぐらいではないでしょうか。　５歳で６０ｔの力があったら、成長して坂田金時になった時は、どれくらいのスゴさになったのでしょう　　か！？　鬼の体重がクマの２倍、２４０㎏だとすると、計算上、鬼をここまでの高さまで投げられます… ★ウルトラマン２人分の高さまで投げ上げる！　日本人男子は２５歳になると、腕力が５歳の時の３倍になります。すると、金太郎が坂田金時と名乗る　ようになった頃の腕力は１８０ｔ！　鬼がクマの２倍の２４０㎏あったとしても、持ち上げられるのは　当たり前！　頭上で３０㎝動かして投げ上げると、時速１４０kmで上昇し、高さ７５ｍに達し、　７．８秒後に落ちてきます。高さ７５ｍと言えば、ウルトラマンの身長が４０ｍなので、ほぼ２人分の高さ　まで投げられる計算になります！　恐ろしいパワーです！　こんなことをされたら、鬼だってたまったもんではありません。しかし、源頼光の四天王のうち、　坂田金時だけが特に強かったわけではないようです。こんなに強い奴を４人も家来にしていた源頼光。　さぞかし、心強かったことでしょうね。


金太郎が残した、数々の武勇伝。クマや鬼を投げ飛ばすという、東洋的な、まさに“オリエンタル”な武勇伝ですよね。






沙紀ちゃん作「金太郎」。






♪武勇伝、武勇伝…オリエンタルラジオ風！？






柳田主任の待望の新刊本、『空想科学[日本昔話]読本』（扶桑社）が４月２９日に発売されました！　一寸法師、かぐや姫など、日本昔話の謎を科学的に研究しています。定価１２６０円。ぜひ、お買い求め下さい！

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