川嶋あい 勇気の唄
プログラム
シンガーソングライター川嶋あいが、ひとりで語る20分。
キーワードは「勇気」。
ラジオの前のアナタと、時には真剣に、時には楽しくお話しする番組です。
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11月24日 絆創膏 2006,11,24
僕は人より少し遅れてしまった。
その証がこの“絆創膏”
学校に行かなくなって、もうどれくらいたっただろう。
冬の朝、冷えたふとんの中からなかなか起きあがれなくて、
床にガラスの破片のように鋭く差し込んでくる日差しを生暖かく感じていた。
本当は昨日、眠れなかったんだ。
まるで心臓を深く押し出されるような緊張とともに久しぶりの学校に向かった。
人の群れと懐かしい学校のたたずまいを見て、ますます体に緊張が走る。
階段を上がって教室に入る
流れている空気がなんとなく居心地悪かった。
みんなからの視線を気にした
仲良しの友達はいた
ひきつった笑顔で「久しぶり」といった
友達は笑顔で返してくれた
取り戻せない時間がある
僕の中に空白になってしまった悲しく孤独な時間がある
それが僕の心の中に貼った一枚の絆創膏
人は何枚の絆創膏を死ぬまでに貼っていくんだろう
だけど、この傷を癒してくれる何かがきっとある
時間はもどせなくても自分自身は前に進める
きっとこの教室にもそれがあるだろう
互いの傷を隠しながら 癒しながら 温めながら 治しながら人は歩いていく。


                             川嶋あい
Before Next



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profile
幼い頃より大物演歌歌手の前座をつとめるなど、地元では有名な存在だった少女時代をすごした後、中学校卒業と同時に歌手を夢見て上京。
しかし間もなく所属していた事務所を解雇され、絶望の中路上ライブを行なうことを決意。
路上ライブを通じて出会った学生サークルと共に路上ライブ1,000 回の夢を達成する為に日々渋谷にて活動する。
その後、路上での出会いから「あいのり」の主題歌を歌うことが決まる。
この楽曲でオリコン2週連続1位を獲得し、一躍有名になるも、その後も路上ライブは継続。
2005年3月にはI WiSHの解散、路上ライブ1,000回を達成など大きな動きが続き、夏には自身が施設出身で里親に育てられたことなど生い立ちについての書籍・映画を発表し大きく話題を生んだ。
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