SUN SET SWISH
石田順三(piano)/佐伯大介(vocal)/冨田勇樹(guitar)降り注ぐピアノサウンド、ハイトーンヴォイス、メロディックギターでちょっと懐かしく、優しい音楽を奏でる大阪府枚方市出身の3人組。2005年6月、シングル「明日、笑えるように」でデビュー。2006年3月にリリースした3rdシングル「マイペース」がCD売上20万枚を超え、着うた(R)は100万ダウンロードを超える大ヒットとなる。同年7月メジャーデビューし、10月には映画「天使の卵」の主題歌「君がいるから」、翌月11月に1stアルバム「あなたの街で逢いましょう」をリリース。
 
HEIWA
パチンコ機・パチスロ機メーカーである平和は、戦後の復興期である1949年の創業以来、技術面・サービス面の様々な工夫や独自の技術革新に努め新鮮で魅力的な娯楽として提供し、パチンコ産業の健全化と発展のために貢献してまいりました。また、経営の基本理念のひとつである社会貢献として、スポーツ・文化活動への協賛等、地域への支援活動に取り組み続けています。
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12月16日の放送は

12月16日のゲストはオリジナル・ラヴ、田島貴男さん。
オリジナル・ラヴは1990年に5人編成のバンドとしてメジャー・デビュー。
ディープでマニアックな音楽愛をポップに昇華して、日本の音楽シーンに「質」の革命をもたらしました。95年からは田島さんのソロ・ユニットとして活動しています。ニュー・アルバム『東京 飛行』を持って、スタジオにお越しいただきました。

今回は、番組史上に残る熱いトーク・バトルになったのですが、多少の説明が必要です。
『東京 飛行』は、2004年の『街男 街女』以来のオリジナル・アルバム(間にカヴァー・アルバムあり)。
田島さんは、『東京 飛行』について、『街男 街女』の続編的な作品であり、どちらも「旅モノのアルバム」と発言しています。街や東京に着目するとともに、聴くものにロード・ムーヴィー的な感覚を与える作品です。
渋谷は、田島さん自身の認識とは別の角度から、『街男 街女』は不完全燃焼の作品、『東京 飛行』は完全燃焼の傑作と評し、両者はかなり違った作品であるという論旨を田島さんにぶつけました。

渋谷「僕の解釈としては『街男 街女』にしろ、『東京 飛行』にしろ、きっと田島貴男としては、すっげえ、おいしいスープを作ったっていう…たとえをするならね。『街男 街女』は、それを味噌汁のお椀に入れると面白いじゃんって…」
田島さん「えっ、たとえば、じゃあね…」
渋谷「最後まで聞けよ(笑)!」
田島さん「わかりましたけど(笑)、どこなんだろうなと思って」
渋谷「という風にみんなに見せたと。そしたら『スープはおいしいかもしんないけど、お椀に入ってるから解りにくいよねえ』と。今度のは同じスープなんだけども、ちゃんとした綺麗なスープ皿に乗っけてやったと。『ああ、おいしい、おいしい!』ってみんな飲んだと。中身は同じなのに、何でみんなそう反応が違うんだとか思ってない?」
田島さん「っていうか、そのスープ皿とお碗に乗せてやったって抽象的じゃない? 具体的にどういうことなのかはイマイチわかりづらいですね」
渋谷「だから、要するに、今回の『東京 飛行』というのは、いわゆるみんながイメージする、ポップでお洒落なオリジナル・ラヴ・サウンド、メロディもそうだし、それから歌詞の世界も全然違うよね?」
田島さん「『街男 街女』と?」
渋谷「そう」
田島さん「ええーっ…」
渋谷「ほら、やっぱりそうだ」
田島さん「はははは!」
渋谷「俺はねえ、そうだと思っていたんだよ」
田島さん「いや、っていうか、わからないですね」
渋谷「わからない。だから、それが田島貴男のめんどくさいところでですね」
田島さん「うーん。エンジニアリングっていうか、音の質の感じじゃないかと」
渋谷「違うんだって。違うの」
田島さん「断定されてますけど(苦笑)」
渋谷「これを『最高だなあ』と思って、みんな聴いていて。ようやく田島くんもわかったんだと思うと、また次のアルバムで、全然とっ散らかる危険性があるんですよ。あなたの場合は」
田島さん「うーん」
渋谷「だからこの『東京 飛行』が何故いいのかっていうのを、作った本人に説明するのもバカバカしいけれども(笑)」
田島さん「あははははは!」
渋谷「それをちゃんとねえ、理解しないとだめだよ。そんな違ったもの作ったと思ってないでしょ? 『街男 街女』と」
田島さん「いや、あのー、内容的にはね。僕の、ミュージシャンのやるべきこと、エンジニアを抜いた部分というのは、ほとんど変わってないんですよ。で、エンジニアを変えたこともあるし、今回は派手な音作りする人にやってもらったんですけど。あとはねえ…」
渋谷「メロディも歌詞も全然違うんです!」
田島さん「へえー」
渋谷「歌詞が違うことぐらいわかるでしょう。だって」
田島さん「歌詞は…(笑)」
渋谷「あんな、いわゆる日本レトロのものから…」
田島さん「ああー、そういう意味か!」
渋谷「それを言ってるわけよ。同じスープなのに、お椀に入ってるか、スープ皿に入ってるかぐらいで『全然同じなのに何で?』って、きっと思ってると思うんだよ」
田島さん「ああー、うんうんうん」
渋谷「同じスープなんだから、日本レトロの歌詞であろうが、ちょっとアーバンな雰囲気であろうが、テーマも言いたいことも同じだから、それは田島貴男の中では一緒なわけで」
田島さん「うーん、ほとんど一緒ですね」
渋谷「だから違うんだよ」
田島さん「確かに江戸趣味っていうのが、『街男 街女』にはあって。で、今回はわりとそうでもない」
渋谷「そう」
田島さん「普通に収まったっていうことなんだけど。ただ、前回のアルバムもその……何かいきなり言い訳ばっかしてっけど(笑)。あはははは! こんな番組初めてですけどね、僕」
渋谷「ああ、そう? 僕いつもなんだよ」
田島さん「そっかそっか。(『街男 街女』では)“沈黙の薔薇”という、今回のアルバムよりもさらにオリジナル・ラヴらしい曲をやってんですよ」
渋谷「そうですねえ」
田島さん「その辺も自分の中で違和感ありますよね。今回は、わりと自分の今の趣味に沿った形で曲は作ってんですよね」
渋谷「自然だということなんですね」
田島さん「前回のアルバムだと、オリジナル・ラヴっぽさとか多少考えたりもしてた時期なんですよ」
渋谷「だけど、それは意図的というか、ちょっと無理なもので、だから今回それが自然に出来ているんだけれども」
田島さん「うんうん」
渋谷「まあ、みなさんね、聞いてもわかるようにこの人は何にも自分のやってることがよくわかってないという(笑)」
田島さん「そんなことねえって(笑)! そんなことねえんだから。ただね…」
渋谷「後半もういっぺん、じゃあ、じっくり戦いたいと思いますけれども」
田島さん「はい」

というわけで曲を挟んで後半戦へ。曲の間も二人のバトルは続き、話題は、大衆に届けるポップスを作ることと、作り手個人の内面のバランスという、より本質的な領域に進んでいきました。

田島さん「自分のオリジナル曲っていうのを作るでしょ? そうすると、たとえば田島貴男じゃなかったらいいんですよ。オリジナル・ラヴっていうんじゃなくて、別のコンセプト立てると」
渋谷「ああー、なるほどね」
田島さん「個人になると、どうしても個人の表現っていうところが関わってきちゃうんですよ。そことポップスとしてのモノを…もう一生懸命、もうね、満身の力を込めて『ポップスだ。俺の作るのはシュガー・コーティングされた、この甘い甘いポップスなんだ!』」
渋谷「あははははは!」
田島さん「って、やってるんですよ、俺! だけどねえ、どうしても何か、苦いチョコレートみたいなさあ(笑)」
渋谷「わかってんだったら修正しなさい。あなたも(笑)」
田島さん「いや、っていうか、やってるつもりなんですけどねえ。なかなかね。自分の原体験として、(洋楽の)パンク、ニュー・ウェイヴがあったんで、そっちからポップスに僕行ったじゃないですか? だから自分で曲を作る作業として、毎回それ(修正を)やってるんですよね。今、売れてる人たちとたまに会ったり喋ったりするんですけど、案外、邦楽のバックボーンがあるんですよね」
渋谷「そうですね。特に若い世代は、どんどんそうなってきているから」
田島さん「僕と同じ世代の人たちでも、こないだROUTE66(1966年生まれのアーティストが集結したライヴ・イヴェント)って…」
渋谷「はいはい。やりましたねえ」
田島さん「やったんですけど。ソウル・フラワー(SOUL FLOWER UNION)の中川とか彼らは、僕とほとんど同じ原体験だったんだけど、他の人たちはやっぱりねえ、昔アリス聴いてたとかさ」
渋谷「そうそうそうそう」
田島さん「っていう感じなんですよね。そこでねえ、『ああ、俺に足りないのは、ここか、と』。で、俺が渋谷さんの言うところのポップ・スターっていうね、ところにパッと行けないところが。10代のアリス体験とかね」
渋谷「いや、だから、そんなのいらないって」
田島さん「あはははは!」
渋谷「だって、こんな曲書けてんだもん。だって、こんな素晴らしいメロディと、こんな素晴らしいアレンジと、こんな素晴らしいヴォーカルがやれるわけで」
田島さん「うーん」
渋谷「だから、やれないことをやれって言ってるわけじゃなくて、やれてることをちゃんとやりなさい、と言ってるだけで」
田島さん「ちゃんとねえ…」
渋谷「だから、『俺はそれが足りないから、努力してそういう曲を書けるようになる』なんてことは必要なくて、書いてんだって、田島くん」
田島さん「そうですかねえ」
渋谷「書いてるんだって。このアルバムなんて素晴らしいって。ほんとに」
田島さん「ありがとうございます。嬉しい」
渋谷「でも、だから不安なのは、こんないいアルバムを作っても本人がわかってないんじゃないかっていう。また『街男 街女』を作ってしまう、このリスクがスリリングではあるけれども。やっぱりもう、そんな年でもないしさあ(笑)」
田島さん「あははははは!」
渋谷「そろそろ、まとめようよお(笑)」
田島さん「まとめたいんですよ、僕も(笑)」
渋谷「わずかながらでも、お手伝いできればですね、『田島さん、この曲じゃなくて、こっちの方がいいよ』とか」
田島さん「あははは! じゃ、今度もう、デモの段階で持ってきますよ、この番組に」
渋谷「(笑)そう。絶対、的確なアドバイスをしたいと思うんですけれども」
田島さん「そうですか(笑)」
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