メタボリックを撃退! “自衛隊”が正しいトレーニング法を伝授【防衛省・自衛隊ブースレポート】

2018年11月14日 19:30

先月、横浜アリーナで開催したニッポン放送の番組イベント「岡村隆史のオールナイトニッポン歌謡祭 in 横浜アリーナ2018」の会場に防衛省・自衛隊ブースが設置された。“自衛隊式ダイエット”のデモンストレーション、YouTubeで“シュールで面白いのに役に立つ”と話題の「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」の動画上映、実際に自衛官が着用しているものと同じ制服を試着できるコーナーなど様々な展示、体験で盛り上がったブースの模様をレポートする。

■自衛官募集HPにダイエット動画!?
ブースでも上映され、自衛官募集HPやYouTubeで公開されている動画集「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」では、けが人の運び方やシャツを浮き袋代わりにする方法といった危機管理の知恵のほかにも、自己管理や体力づくりのプロフェッショナルである自衛官の知識を活かした、ダイエット方法や寒さ対策など、日常でできることを動画で解説している。ネットには様々な生活の知恵やダイエット方法が蔓延して「で、どれが一番いい方法なの?」と迷うほどだが、自衛隊式ならば安心して取り組めるのではないだろうか。

■自衛官が直々に「腹筋」「スクワット」「腕立て伏せ」を伝授
今回デモンストレーションしたのは“自衛隊式ダイエット法”トレーニングのうち「腹筋」「スクワット」「腕立て伏せ」の3種。全て実際に自衛官が行っているお墨付きのトレーニングだ。

腹筋では、足を常に浮かせてかかとを床には着けず、膝をしっかりと自分の胸に引き付けること。スクワットでは、膝が足先より前に出ないように腰を落とし、立ち上がるときは膝を伸ばしきらない。腕立て伏せでは、肘を伸ばしきらず、体をゆっくり下げてゆっくり上げる。――こういった具合で、腰や膝に負担をかけず、効率よく効果的に筋肉を鍛える方法を伝えていた。

自衛官はさすがで悠々と披露していたが、一般の来場者が体験すると10回続けるのにも一苦労。そんな参加者に、自衛官が「ここの筋肉を意識して」「腕立て伏せは姿勢が大事。肩幅よりちょっと広めに手を置いて」と親身にサポートしたり、小さな子供にはさらに簡単な方法を教えたり、トレーニングを終えて汗をぬぐう参加者とハイタッチするなど、親身に優しくアドバイスしている様子が印象的だった。

■自衛官でも、筋トレは何度やっても“キツイ”
参加者が来るごとに、自衛官は腹筋や腕立て伏せを何度も行ったわけだが、常に涼しい表情だった。若い男性の自衛官に話を伺ってみると、「今でもキツイです」と言い、自身でキツイと感じるところまで体をもっていっているのだと語った。ブースでサポートをしていた自衛官は漏れなく体が引き締まり、メタボとは無縁の印象を受けたが、慣れたり、楽な方法に甘えたりせず、こうして自分で自分を奮い立たせることができる気持ちの強さが、体形の美しさに現れているのだろうと感じた。この冬のメタボ対策に、自己管理のプロがすすめる“自衛隊式ダイエット”を取り入れてみては。

■自衛官募集公式YouTubeチャンネルは、なぜ作られたのか?
動画「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」の仕掛け人である、防衛省陸上幕僚監部の林田賢明3等陸佐に話を伺った。まずは自衛隊を知るきっかけになるようにと、昨年に企画がスタート。「どうしても自衛隊って硬いイメージがあって、ほふく前進しかしていないんじゃないか――と、やっぱりハードルが高く見られていますので、自衛隊がしていることをまずは知ってほしかった」という思いから、実際に自衛官が行っているもので、一般の生活に役立つという視点でネタ探しを開始したという。

■陸・海・空の現役自衛官の“知恵”が集結した動画!
林田3佐が指揮系統を使って、日本全国の陸・海・空と様々な部隊に“アイデア”の募集を呼びかけると、自衛隊で必ず行っているものから、自衛官の間で“口伝え”として代々伝わるものまで、なんと100以上のネタが集まった。協力的な隊員たちの姿勢について「先輩から後輩に“こういうことをしなくてはいけないよ”と口伝えで伝わっているアイデアまで集まり、そういうのは非常に良かったですね」と笑顔で話し、なかなか表に出す機会がない知恵を発信することに大きな意義を感じているという。

■自衛官にとって、“静電気”が命にかかわることがある
同チャンネルの“静電気でピリッとくるやつを防ぐ方法”では、機敏な自衛官が直立の姿勢から地面にしゃがみ込み、両手の甲を地面につけ、「アースよし!!」と叫ぶ、なんともシュールな動画がある。正直な感想として「すごく面白いですね」と伝えると、「あのネタも私が考えました!」と嬉しそうな林田3佐。

実はこの静電気対策、不発弾の処理や爆破薬を扱う訓練で毎回絶対に行っている行動の1つだという。「静電気によって、爆薬の信管や電気雷管がバーン! となってしまう可能性があるんです。静電気は非常に危ないので、一つ一つの作業前に必ず『アースよし!』と言い、手の甲を地面につけます」と説明してくれ、自衛官が自分たちの命を守るための行動だということが分かった。ちなみに、手の平ではなく“手の甲”を地面につけるのは、爆破薬を扱う手の平を汚さないためで、これらは全て自衛隊の教科書に載っている動作だという。

こうして分かりやすく伝えることについて、林田3佐は「親近感が伝わってほしいという思いがあります。自衛隊に伝わるノウハウが皆さんの生活にも実はすごく役に立つんです」と思いを語った。

■本物の自衛官の制服を試着
制服の試着コーナーでは、実際に陸・海・空の自衛官が式典でも使っている制服を着ることができた。案内役の自衛官から正しい敬礼のポーズを教わり、小さな子供はミニサイズの制服を着させてもらい、大人も子供も嬉しそうに写真を撮っていた。こういったブースは各地域のイベントやお祭りで定期的に行っているそうで、街で見かけたときに体験してみたら良い記念になるはずだ。

当日のブースの模様はこちらの動画からもチェックできる。

また、動画「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」は、自衛官募集HP(http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/lifehack/index.html)、YouTube(https://www.youtube.com/channel/UCwvH00eFWmfs-FGkRCorzdA)にて視聴可能。昨年度よりスタートしている「自衛隊LIFEHACK CHANNEL」は、自衛隊に伝わるいざというとき知っておくと役立つ知識やノウハウの数々を動画で紹介し注目を集めている。今年は、自衛隊体育学校の協力の下、泳ぎ方からメタボ対策まで健康的に過ごすための自衛隊LIFEHACKを中心にお届けしている。さらに、同サイトを元に、災害時に役立つノウハウをイラストにしてまとめた書籍「自衛隊防災BOOK」(マガジンハウス)が、発売から約2か月で15万7,000部を超える大反響で、こちらも“何か”が起こる前の備えとして、また日常生活が少し便利で快適になる一冊だ。

提供:防衛省