“メンタルの弱い人”はなぜ増えているのか!?

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「やる気が出ないなあ」「鬱かも」「ストレスがたまっている」、そんな言葉が毎日、学校や職場、街のカフェなど、どこからも聞こえてきます。発した言葉のすべてが深刻なものではないにせよ、厚生労働省のデータによると“精神疾患で医療機関にかかっている患者数”は、平成8年218.1万人が、平成23年には320万人と大幅に増えています。その内訳を見てみると、不安障害やストレス関連障害は、46.6万人から57.1万人に増加。うつ病や気分・感情障害では43.3万人から95.8万人と依然に増加しています。

これらを解決するために、ストレスをためないこと、まずは病院へ行くこと、という方法は誰でも知っていると思いますが、意外な切り口として、『風水の考え方でメンタルを強くする方法が3つある』とお話しするのが、建築家、実業家、神主、作家など数々の顔を持ち、巷では日本の風水の第一人者として広く知られているDr.コパさん。今回、“日本人のメンタル”をテーマにお話をお聞きしました。

“メンタルの弱い人”はなぜ増えているのか!?

前編では『日本人のメンタルを弱くしている原因』について、後編では『メンタルを強くする3つの方法』をご紹介していきます。

●『日本人のメンタルを弱くしている原因』

編集部:気力のない人を見つけるのはとても簡単で、電車の中や喫茶店、街のどこでも見かけます。メンタルの弱い方は、どうしてこんなにも増えているのでしょうか?

Dr.コパ:メンタルの強さは、兄弟が何人かということに所以するんです

編集部:長男、長女、次男、次女、末っ子とか、そういう自分が生まれた時の立場が関係するのですか?

Dr.コパ:そう。昔は、長男には長男のやらなくてはならないことがあったんです。ところが戦後の今の憲法では、長男も次男も三男もみんな平等になってしまいました。昔は“家督相続”という言葉があって、長男が全てを相続する代わりに、先祖の供養、街の神社やお寺との付き合い、近所との付き合い、親戚一同との付き合い、その全ての責任をとる代わりに財産が全て相続されていました。

編集部:長男が財産を使って一家や一族を守り、大変な仕事を引き受けていたんですね。

Dr.コパ:つい70年前まで、長男の元に一族が集まり、全てがコントロールされる時代がこの国では長く続いていました。朝起きれば朝日に手を合わせ、夕方になれば先祖に手を合わせ、そしてお米を作って暮らしていたのです。それが急に工業立国になり、心の背景がなくなってしまいました。メンタルが弱くなってしまったことは、「長男だからこれをしなくてはいけないんだ」と胸を張って出来なくなった時代につながります。人は役目を持って生まれたことを忘れてはいけないんです。自分がどの役目をもともと持って生まれてきたか?生まれてくることは偶然ではありません。必ず必然なのです。

編集部:精神的な強さを作る源が、家族のつながりや、生まれながらの役割にあったんですね。

Dr.コパ:役目が与えられて生まれてきた人に、その役目をやらせなかったら、人は動揺してしまうんですよ。心は反応している。なぜかそんな気がする。これが本来の不安の原因です。

編集部:前触れもなく、異常もないのに突然!自分はなんで生まれてきたの?と悩んでしまうのですね。

Dr.コパ:そう。いまは、ちょっと昔から見たら夢のような時代です。まずよほどではないと命の危険がない。食べられないという事態にはならない。世の中から「何をやっても良いよ」ということは、反対に言ってしまえば「何もやらなくて良いよ」ということ。

昔、長男や長女は、後を継ぐために生まれてきたので、跡取り息子・跡取り娘と言いました。いまこの言葉を耳にしなくなったのは、何かを継承する必要がなくなったからです。継ぐものがないということは、人としての証を立てにくいということ。過去の成功例という道標(みちしるべ)を捨てて過ごすようなものです。だから不安になります。

編集部:跡取りを気にしなくて良いならば、自由に思い切って何でもできそうですが?

Dr.コパ:人は、何かしっかりと決められているものがあった方が動きやすいですよ。『君はこれをやるために生まれてきて、これをやらなくてはいけないんだよ』ということを言い聞かせてあげた方が、人は何の動揺もしないんですよ。帰るべき場所がありますから。それを持った上で他のことを手に入れるのと、何もないまま動くのと・・・。これは正確にもよりもますが、僕が長年見てきても何もないまま動いて一気に大成できる人は少ないですね。

編集部:コパさんも息子さんがいらっしゃいますが、何か家庭での決め事はありましたか?

Dr.コパ:実はうちの教育というのは、何のために生まれてきたのか、というのを言い切ってしまっています。息子には『建築の道へ行きなさい』と言って、実際に大学も建築学科へ進ませました。先生方から『息子さんには建築は向いてない』と言われることもありましたが、『これはうちのルールで、一つの仕組みなんです。だから建築学科へ行くということで良いんです。卒業してからは、彼が自分で自分の道を決めますから』と伝えましたよ。

仕事では使えるレベルではなくても、考え方の筋がわかると、どんな場面になってもお互いに話ができますから息子を「宇宙人のようだ」なんて思わずには済みますね。今の僕たちの関係を見ると綱渡りだったとしても成功だと言い切れます。

編集部:息子さんに“役目”を示してあげていたのですね。コパさん、今日はありがとうございました。後編もよろしくお願いします。

“日本人のメンタル”をテーマにしたインタビュー後編では、『メンタルを強くする3つの方法』についてご紹介します。

取材・文・写真:allnightnippon.com 編集部 望月知世

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