直木賞作家もビクビク!?京都人の言葉が持つウラの意味

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2月25日(日)夜放送のニッポン放送「高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと」で、パーソナリティの朝井リョウが、心が不安定なまま過ごしたという京都旅行について話した。

直木賞作家もビクビク!?京都人の言葉が持つウラの意味

前週の放送で、TOKYO FMで放送中のラジオ番組「高橋みなみの『これから、何する?』」の収録でハワイへ行ったことを明かした高橋。同じ頃朝井も、自身が所属する読売新聞の読書委員のメンバーと1泊2日で京都へ行き、“大人の修学旅行”を楽しんでいたという。

朝井以外全員が大学教授というメンバーだったため、京都の歴史を学ぶようなしっかりとした内容の修学旅行で、夕方には、メンバーの大学教授が持っているゼミへ参加することに。それは京都大学の院生のゼミで、半分以上が留学生という中で各国の歴史教育についてディベートするという極めてレベルの高いものだったため、ただ面白そうだからということで軽はずみな気持ちで参加した朝井は戸惑ったそうだが、以前からずっと頭の中にあった「一番初めに縄文時代を時間掛けてやり過ぎるおかげで、近現代史の部分が駆け足になってしまう。」という問題点挙げ、無事に切り抜けたことを明かした。

その後の夕食でも、ゼミで行ったディベートの話題が続いて盛り上がっていたそうだが、しかしそうした知的な体験の最中においても、実はずっと、夕食のあとに待っている“お座敷遊び”のことが頭から離れなかったという朝井。そして朝井はこの日、生まれて初めてのお座敷遊びを経験したそうだが、ある本を読んだ直後であったため、余計な思考が働いてフラットな状態で楽しむことができなかったという。

朝井:下村敦史さんっていう人の『告白の余白』って本があるんですけど。京都の人の言葉遣いが主題になっているミステリーで、京都の人って例えば(隣の家の人が)ピアノの練習してて「やめてほしいな」「うるさいな」っていうときに、「ピアノ上手やなぁ」って言うことで遠回しに伝える文化があるみたいな。っていうのがミステリーに踏襲されている本なんです。

高橋:うん。

朝井:で、お座敷遊びに行ったとき、「皆さんどういう方たちなんですか?」ってお話してくださって、「教授の人たちが多くて」みたいに答えたら、「え~すごいですね、毎日いろんなことを研究されてて」って言われたんだけど。

高橋:うん。

朝井:・・・嫌味かな?みたいな。

高橋:いや、その本読んでるからでしょ?(笑)

朝井:そう、読んでるから、ほんとは「普通に働けよ」とか思ってるんじゃないかな?みたいな気になって。

高橋:あはは、なんでフラットな状態で楽しめないのよ(笑)

朝井:あ~あの本読んだからだ、どうしよどうしよ!ってなって。こっちを褒めさせるみたいな時間になると、私はそういう思考が働くってことが早々に分かったので、その人たちの人生を聞こうと思って、逆インタビューみたいな感じでずっと聞いてたんです。

高橋:うん。

朝井:なんか、「仕込みさん」「舞妓さん」「芸妓さん」っていうのがいらっしゃって、舞妓さんをしている間に踊りや三味線のお稽古をして、三味線を弾けるのが芸妓さんというさらに上のポジションというか。

高橋:そうなんだ、上がってくんだ、どんどん。

朝井:そして踊りを披露してくださったり曲を演奏してくださったりする・・・っていう話を、結構時間掛けて聞いたんですよ。

高橋:うんうん。

朝井:曲を演奏するときは赤い座布団を用意されて、その上に芸妓さんは座れて、そこで曲を弾くことができると。

高橋:へぇ~ステキね。

朝井:「今、私そのお稽古をしてるんです。」みたいな話をしてくださって、「じゃあいつかは、その赤い座布団の上で演奏することを目指して、今こうやってやられてるんですね。」みたいな。そういう話をしてたら、心が安定したの。

高橋:あ、良かった良かった。

朝井:良かったなと思って、特に問題もなく終われそうだな・・・と思ったら!

高橋:え~まだあんの~?

朝井:一緒に行った、とある社員さんが。ちょっと席外されてて、ちょっと気になってたんですけど、まぁトイレかなと思ってたんですよ。

高橋:うん。

朝井:そしたら、芸妓さんが出てくる方からその人が出てきて。で、楽器を持ってたの。三味線的なものを持ってたの。

高橋:えっ?

朝井:その人、自分で趣味で練習してて「弾けるんですよ」って言い始めて、で、その赤い絨毯の上に座って。

高橋:え~ヤバイ!

朝井:3曲ぐらいたっぷり演奏されたんですよ。で、上手かったんですよ。人前で披露したくなる気持ちも分かる。けど、私はずっとそこを目指してお稽古をしてるって人の話を聴いてたから、ドキドキしちゃって、また。

高橋:わぁ~こわいね~!

朝井:チラッとその方を見たら、「すご~い!お稽古をやらなくてもこれだけ上手く弾けるんですね~」みたいに言ってて。

高橋:あ~ヤバイヤバイヤバイヤバイ。

朝井:それは本気で言ってるのかもしれないけど、私はその下村敦史さんのミステリーを読んでたから、あぁ、これも全部・・・って。

高橋:戻っちゃったじゃん。リセットされちゃったじゃん。

朝井:結局ず~っと心が安定しないままでした。

1冊の本の影響から、本来不要なはずの勘ぐりをずっと発動し続けていたという朝井。それでも楽しかったと朝井が語ると、「ほんとに?」と高橋も朝井の感想に対して勘ぐっている様子だった。

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