直木賞作家が語る「コンプレックスと恋愛の関係性」

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1月28日放送のニッポン放送「高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと」で、パーソナリティの朝井リョウが、童貞で悩むリスナーに対し、独自の目線と解釈でエールを送った。

直木賞作家が語る「コンプレックスと恋愛の関係性」

今回も、“外部からの刺激”と称してリスナーからのお便りを紹介していった2人。このたび寄せられたのは、23歳にして童貞であることに悩むリスナーからの投稿で、大晦日の23時台に思いを募らせて、おじいちゃんの家から送られたものだという。

非常に正直で丁寧な言葉の使い方や文章の組み立て方に、送り手の良い人柄を感じた朝井は、「生き方を変えなきゃいけないですか?」「盲点は何なんでしょうか?」という悩みに対し、先日大々的に報じられたオードリー・若林正恭の熱愛報道を引き合いに出しつつ、珍しく真摯な対応でエールを送った。

朝井:(先日のニュースがあって)若林さんは、“女の子苦手芸人”とかいろんなことがあったりして、人と上手く関係を築かないところが、若林さんたらしめているみたいな?

高橋:まぁそのイメージ強かったよね。だから若林さんも“平熱愛”って仰ってましたけども。

朝井:そうやって思ってる人が多いと思うんですよ。そういう人は、これで若林さんが南沢奈央さんという固有名詞ではなく、年下の女優と付き合ってみたいな言い方をして。

高橋:はい。

朝井:若林さんが変わってしまうみたいな言い方をする人は、結構いらっしゃったと思うんですけど、私がすごい思うのは、変わらないって言ったらアレだけど…。

高橋:うん。

朝井:小説でもたまに、コンプレックスを持ってる人物を書くときに、恋人がいる設定にすると、たまに編集さんで、「恋人がいたら、このコンプレックスって解消されるんじゃないですか?」っていう風に指摘されることがあるんですけど。

高橋:あ~。

朝井:私は正直関係ないと思っていて、恋人ができたら自分が抱えていたコンプレックスは、熱量は下がるけれど質量はそのままに残って、その上に、恋人という他社との関係性で生まれる新しい悩みが乗ると思ってるんですね、私は。

高橋:なるほど、彼女ができたことで自信も付くけど、それ以上に…。

直木賞作家が語る「コンプレックスと恋愛の関係性」

朝井:人と付き合うってつまり自分を見つめ直すってことだから、「生き方を変えなきゃいけないですか?」「盲点は何なんでしょうか?」って(このリスナーは)言ってますけど、変えなくていいんですよ。

高橋:いや、本当にその通りですね。

朝井:そして、あなたが童貞を捨てたとして生き方は変えられないし、盲点を見つけられることではないと思うんですよ、私は。

高橋:確かに。あとまだ23歳とかでしょ?全然大丈夫。

朝井:生き方は変えなくていいです。そして若林さんだったりとかが、恋人がいるって分かったときに「変わったな」っていうのは的外れです。

高橋:そこね。

朝井:私はどっちかっていうと、それを言いたかった。このリスナーさんを踏み台にして(笑)

高橋:やめて、踏み台にはしないであげて(笑)

朝井:もしかしたら、童貞を捨てたら何かが変わるかもしれないと思っているけれど、童貞を捨てたあとに変わることっていうのは、童貞を捨てられるかどうか悩まなくて良くなることだけなんですね。それ以外のことは何も変わらない。

高橋:(拍手しながら)すごい、今日感動した。多分今年唯一だと思う。

朝井:もっと褒めて(笑)いや、ほんとに、童貞を捨てても世界は変わらないし、変わらないっていうか、世界が増えると思う。

高橋:そうだね。悩むことも増えるし考えることも増えるし。

朝井:そうなんですよ、増えるんですよ、これからあなたの世界は。

高橋:ね。

朝井:なんか急に励ましたくなりましたね。12月31日の23時台におじいちゃん宅から送っているっていう、いろんな情報が加わった結果、すごくきちんと話したくなりました。

高橋:あはは、そこね(笑)

全国の童貞に対し、希望とも言える励ましの言葉を投げ掛けた朝井。現在童貞に悩む人は、朝井のこの言葉を胸に、自分に自信を持って生きてみてはいかがだろうか。

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