工藤大輝と偶像音楽論

Da-iCEの工藤大輝がお届けする、月イチ連載コラム!

工藤大輝、AKB48「願いごとの持ち腐れ」を語る。「振付と構成に大注目です」

2017年07月05日 18:15

【月イチ連載コラム:工藤大輝と偶像音楽論(通算 第11回)】

時代を切り拓いた功績と衰えることのない勢い。
挑戦する姿勢と予測不可能な戦略。絶対的且つ恒久的。

AKB48 / 願いごとの持ち腐れ

総選挙から諸々のニュースを含め話題に事欠かない状態が続いていましたが、それら全て一旦置いておいて楽曲の話をしませんか。ゴシップもほどほどに音楽に耳を傾けてみませんか。と強く思ってしまう、それほどまでに今回の楽曲は衝撃的だったのです。

合唱曲としての話題も賛否ありましたが、個人的な見解としては合唱曲も全てが前向きで明るい曲ばかりではないですし、メロディももっと複雑で難解な楽曲も多数ありますので、楽曲面だけで言うのであれば「違う」と言い切れるものではないように思えます。

なによりAKB48さんがこういったタイプの楽曲を総選挙という大切な時期に表題曲に持ってきたことに驚きを隠せなかったと同時にワクワクしました。

タイトルや歌詞が暗く重いように感じるという意見もありますが、しっかりと読めばとても考えさせられる歌詞ですし、タイトルはありがちなタイトルに対してのアンチテーゼともとれます。僕はこういう方向性が大好きです。

そして最も注目すべきところはやはり振付と構成ではないでしょうか。操りダンスとも呼ばれる独特な振付。ミュージックビデオでは全貌を明らかにすることはできませんが、それ以外のパフォーマンスで観ることができます。全体的なイメージとしてはダブルセンターの松井珠理奈さんと宮脇咲良さんが他メンバーを操るような感じ、と言えば分かりやすいでしょうか。

ストップと動き出しを上手く利用し不思議さを出しつつ、最小限の動きと人数を振り分けた構成で全体的に分かりやすくなっています。AメロBメロは順を追ってメンバーを動かしたり少人数のルーティンだったり、動く人と動かない人の抑揚が効いていますが、サビから一転。人形感を出しつつも直線的且つキレのある振付を全員で行います。

アイソレーション(首や胸、腰などの立体的な動き)が少なく、手や足の出し引き、上下運動と角度、スピード重視の動きの為全体の空気感が揃いやすいことも相まって引きで観た時のシンクロ率が凄いです。

テレビ番組以外での生ライブパフォーマンスを観てみたいと思わせてくれるような不思議なパワーのある楽曲だなと思いました。劇場には行ったことがあるのですが、大きな会場ではまだ観たことがないので、いつか、必ず。

と言うことで今回はこの辺で終了とさせていただきます。次回も楽しみにしていただけると幸いです。したっけ。

文:工藤大輝