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歩きのプロが教える「最高の歩き方」。歩く前に必ず知ってほしいこととは?

2017年02月27日 11:30

健康ブームの今、日々の運動としてウォーキングを取り入れる人も多いのではないでしょうか。でも、そのウォーキング、気をつけないと悪影響になってしまう可能性もあるんだとか。気になる疑問を解決するべく、『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』(きずな出版)の著者で元オリンピック競歩選手の園原健弘氏にお話をお伺いしました。

園原さんはバルセロナ五輪に50km競歩代表として出場。他にも、世界陸上や箱根駅伝にも出場するなど、競技者としての経験をベースに「ダイエット」や「健康づくり」の指導者として活躍されています。

同書では、歩き方を見直せば体が引き締まり、むくみがとれ、肌がきれいになる、と女性なら誰もが注目してしまうポイントが解説されています。一方で、「歩くことで肩こりがひどくなる」、「走るより歩く方が大変」、「不安定な姿勢が動きやすい」など、気になる内容も書かれています。

【園原健弘氏インタビュー 第1回】
歩きのプロ直伝!!「最高の歩き方」とは?~歩く前に必ず知ってほしいこと~

●マラソンよりも過酷な「競歩」という競技

編集部:実は、競歩という競技に詳しくないのですが、どのような競技なのでしょうか?

園原:競歩について詳しく知っている人は、そう多くないのですが、いま日本の競歩はとても強いんですよ!競歩20kmの世界記録保持者は日本人ですし、昨年のリオ五輪では、50km競歩で荒井広宙選手が銅メダルを獲得しています。

普通に歩くと時速4kmくらいですが、競歩は時速12~15kmで競技します。エネルギー消費量からみると、時速8kmを超えたら走った方が楽なんです。だから、ゆっくり歩くなら、走った方がエネルギー消費量が大きいのですが、時速8kmを超えたら、歩いた方がエネルギー消費量が大きくなります。マラソンより相当なエネルギー消費量が多いので、かなりキツい種目です。

編集部:競歩の選手は、速く歩くためにどんなトレーニングをしているのですか?

園原:速さを競う競技なので、速く歩くためには負荷を上げます。そうしないと体は変わりません。
我々の時は、40kmをレースペースで歩く練習を週3回やっていましたが、今は、5000m×8本こなすスタイルです。まず全力で5000m歩いて、3~5分しっかり休憩して、またレースよりも速いペースで5000m歩いて、休んで……というのを8回繰り返します。このような、かなり追い込んだ練習で日本の競歩は強くなりました

●日本人には「歩く」ことに適した体が備わっている

編集部:陸上競技は黒人選手が活躍しているイメージがあるのですが、トレーニングの工夫だけで日本人は強くなったのですか?

園原:実は、身体特性からいうと「日本人は歩くのに適した体」なんですよ。

日本人のアキレス腱は細くて柔らかい。ただ、競歩は常にどちらかの足が地面に着地している状態なので、腱が弱くても支障のない競技です。

一方、黒人選手のアキレス腱は太くて長く、腱を使ってピョンピョン跳ねる動きが適しています。跳ねる動きが出来ない競歩は、黒人の方にとって苦手な競技だということになります。

●歩きはじめる前に、要チェック!スムーズに体を動かすために知っておきたいこと

編集部:「歩く」ということが日本人の体にピッタリの運動だと初めて知りました。早速今日からウォーキングをしてみたいと思います!

園原:間違った歩き方のまま頑張っても、逆に体を痛めますよ?ウォーキングを始める前にまず「正しい姿勢」を知ってください。ほとんどの方が、「正しい姿勢=安定感のある立ち方」と考えていますが、これは間違いです。

編集部:“不安定な姿勢”がウォーキングに最適ということですか?逆に体が歪みそうですが?

園原:不安定な姿勢こそ、運動に適した姿勢なんですよ。“安定感がある”ということを言いかえると、その場にはとどまりやすいけれど“動きにくい”ということです。

分かりやすい例をあげると、普通に立てた状態のペットボトルを指で押しても、簡単には倒れませんよね?では、逆さまに、キャップを底にした状態にして指で押してみると……簡単に倒れます。

安定感というのは、底を広くとって重心を落とすのでその場にとどまりやすい。でも、とても動き出しにくい状態なんです。動き出しやすくするためには重心を高い位置にして不安定な状態にすれば、すぐに動きます。

例えば、野球の一本足打法というものは、一本足の“不安定”な状態から両足(安定)という動作。不安定をうまくコントロールできれば、パフォーマンスは上がるのです。二足歩行も一緒で、片足と両足を繰り返す運動。不安定と安定を繰り返している動きです。

編集部:こうやって教えていただかなければ、「不安定な姿勢が、動きやすい状態」だということに気付かなかったと思います。

園原:不安定な姿勢を上手くコントロールできれば、スムーズに体を動かせるし、高いパフォーマンスを発揮できます。

私も長く競技を続けていますが、不安定のコントロールが上手な方はスポーツの世界でも一流。一般の方も体の使い方が上手な方は要支援、要介護にならなかったり、体の中の代謝機能もうまく構築されている気がします。

ご年配の方が、膝が曲がって、腰が落ちて、常に両足を基軸にしてちょこちょこっと歩いているのを見かけませんか?あれは、無意識のうちに片足立ちが怖くなり、安定感ばかりを求めるからです。

我々は人間である前に「動物」です。「動く」「物」なので、動かないと機能は低下していきます。ずっとその場にとどまっていると、血液や体液、リンパ液の流れも悪くなりますしね。

編集部:ありがとうございました。

気になるインタビューの続きは、また明日。次回は、具体的にどこの筋肉を使って歩けばダイエット効果があるのか、『お尻が上がる!太ももが引き締まる!「最高の歩き方」とは?』をご紹介します。

文:allnightnippon.com 編集部 望月知世
写真:allnightnippon.com 編集長 長浜純

■園原健弘氏ブログ
http://ameblo.jp/ringofarm/
■『あらゆる不調が解決する 最高の歩き方』
http://www.kizuna-pub.jp/book/9784907072872/