武井咲と柳田理科雄のラジオ空想科学研究所
注目の美少女タレント!武井咲と300万部の大ベストセラー「空想科学読本」の著者にして、空想科学研究所主任研究員である柳田理科雄が夢のコラボレート!
アニメや映画、特撮の「あの名場面」を科学の視点から鋭く分析するという「空想科学」の世界を、日頃忘れていた理科や数学の話も織り交ぜながら「分かりやすく、痛快に、面白く」展開します。
二人の研究活動に是非ご期待ください!
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株式会社 村田製作所
 
武井咲
2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」モデル部門賞・マルチメディア賞を受賞。06年から「SEVENTEEN」(集英社)の専属モデルを務める。テレビドラマ「オトメン」「GOLD」でのレギュラー出演のほか、CM・雑誌で活躍。愛知県出身の16歳。
柳田理科雄
1961年鹿児島生まれ。
ベストセラー『空想科学読本』著者で、現在は空想科学研究所・主任研究員。
明治大学理工学部物理学科の非常勤講師を務めるなど、多岐にわたって活躍する理系作家。
更新日: 3月16日
 
3/12放送の研究テーマは、
『タケコプター 使用上の注意』でした。

「ドラえもん」の道具“タケコプター”を我々が実際に使ったら、どうなるのでしょうか? 
いざ使うとなったら、いろんな問題も出てくるかもしれません。
そこで今回は、いつ開発されてもいいようにタケコプターを科学的に検証しました。


★痛みに耐えろ!

 タケコプターの素晴らしい所は、小さいこと。竹トンボぐらいの大きさで、簡単に持ち運べます。
 現実世界にもプロペラで飛ぶ1人乗りのマシンがありますが、かなりの大きさになります。
 それは「ソロトレック」という名前で、高さ2m40cm、重さ140s。上の方に直径80cmぐらいの
 プロペラが2枚ついており、パイロットは立って乗ります。こんなに大掛かりになってしまうのは、
 エンジンの力がタケコプターほど強くないからです。

 一方のタケコプターと言えば、プロペラの直径が20pぐらい、そして、回転軸となる、下の棒の部分の
 高さが10pぐらいと、エンジンがどこについているのか分からないほどの小ささ。
 あれで人間はもちろん、体重129.3sのドラえもんさえ持ち上げるのだから、さすがは22世紀の
 エンジン! しかし、小さいのはいいことばかりではありません…

 タケコプターのあの小ささでは、せっかく起こした風が、すべて頭を直撃します。脳天はタケコプターに
 引っ張られて上がろうとするのに、頭の周りは風の力で下向きに押されます。
 これでは、エンジンがどんな に強力でも上昇することは出来ません。
 頼りになるのは、頭の横からもれる風だけ。その風が全体の10%だとすると、
 体重50sの人が飛ぶためにはプロペラは500sの力を出し、450sが頭を押さえつけ、
 残りの50sが横からもれて、これでやっと飛べることになります。
 
 その時、脳天は500sの力で上に引っ張られ、頭の周りは450sの力で下に押さえつけられます。
 痛くて苦しくてたまらないどころか、頭の皮が剥がれてしまうかもしれません。
 タケコプターで空を飛ぶには、相当な痛みに耐えなければならないのです。
 …この地獄から逃れるには、どうすれば良いのでしょうか?


★回転軸を長くしよう!

 回転軸とは、タケコプターの下の棒の部分のことですが、なぜ長くした方がいいかというと…
 まず、「ヘリコプター」を思い浮かべて下さい。ヘリコプターのプロペラは、本体より大きいですよね?
 プロペラは、周辺部が起こす風が、中央部が起こす風より強いため、この構造なら本体に当たる風は
 わずかで済みます。しかし、だからといってタケコプターのプロペラを大きくするのは危険です。
 プロペラを回す「反作用」で自分が回ってしまいます。

 これを防ぐには、プロペラを大きくするのではなくタケコプターの下の持つ部分、つまり回転軸を
 長くするしかありません。頭の上から3mぐらいの棒が伸びて、その先にプロペラがついていれば、
 頭に当たる風はわずかで済むでしょう。しかし、それでも、脳天を吊り上げられることに変わりは
 ありません。脳天の1点に全体重がかかるのです。髪を一束つかまれて持ち上げられるのと同じ。
 …では、どうすれば快適にタケコプターで空を飛べるのでしょうか?


★タケコプターは5本つけろ!

 体重が1点に集中するのを防ぐには、タケコプターを何本もつける以外にありません。本数を増やせば
 増やすほど、タケコプターを取り付けた部位にかかる力は分散されて小さくなります。3mほどの
 タケコプターを頭に1本、背中に1本、お尻に1本、両腕と両足に1本ずつ。
 この状態で、腹ばいになって飛べば快適でしょう。
 タケコプター同士がぶつかり合うと危険なので、空中で姿勢を変えるのは禁物。
 離陸も腹ばい、着陸も腹ばい。汚れてもいいように、自動車修理工の人たちが着ているツナギを
 着ましょう。この態勢なら、安全で快適な空の旅が出来るでしょう!
 
タケコプターのシミュレーション(?)をする2人
タケコプターのシミュレーション(?)をする2人
 
 
 
柳田主任が考える「タケコプター改革案」
柳田主任が考える「タケコプター改革案」
 
 
 
福田くん作「ドラえもん」
福田くん作「ドラえもん」
 
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