注目の美少女タレント!武井咲と300万部の大ベストセラー「空想科学読本」の著者にして、空想科学研究所主任研究員である柳田理科雄が夢のコラボレート!
アニメや映画、特撮の「あの名場面」を科学の視点から鋭く分析するという「空想科学」の世界を、日頃忘れていた理科や数学の話も織り交ぜながら「分かりやすく、痛快に、面白く」展開します。
二人の研究活動に是非ご期待ください!
武井咲
2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」モデル部門賞・マルチメディア賞を受賞。06年から「SEVENTEEN」(集英社)の専属モデルを務める。テレビドラマ「オトメン」「GOLD」でのレギュラー出演のほか、CM・雑誌で活躍。愛知県出身の16歳。
柳田理科雄
1961年鹿児島生まれ。
ベストセラー『空想科学読本』著者で、現在は空想科学研究所・主任研究員。
明治大学理工学部物理学科の非常勤講師を務めるなど、多岐にわたって活躍する理系作家。
更新日: 7月 3日
7/2放送の研究テーマは、
『七夕ストーリー 〜 天の川の中心で愛を叫ぶ! 〜』でした。
今度の金曜日が「七夕」ということで、今年も織姫と彦星が会えることを祈りつつ、
2人の恋を科学的に研究しました。
では、ここで、七夕の物語を確認しましょう・・
牛を飼っていた彦星は、川の向こうにいる織姫が好きになりました。織姫は天の神様の娘でした。
やがて2人は結婚しますが、仕事を放り出してデートに明け暮れていたため、天の神様がカンカンに怒って、
2人を天の川をへだてる織女星(しょくじょせい)と牽牛星(けんぎゅうせい)にしてしまいました。
それでも神様は、毎年7月7日の夜だけは、天の川に鵲(かささぎ)という鳥の群れで作った橋を架けて、
2人が会うことを許した・・という物語。
この七夕の話は、2500年前の「詩経」という本にも出ているので、
なんと、2500年も続いた遠距離恋愛と言えるのです!
★織姫と彦星の家は“日サロ”だ!
織姫と彦星は、天の神様の怒りを買って、天の川をへだてる織女星と牽牛星に変えられてしまいましたが
天文学では、織姫星はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイルと呼ばれます。
しかし、人間を星に変えるとは、あまりに不思議な話。ベガの質量は5千兆×1兆t。地球の80万倍!
織姫の体重が50kgだったとすると、10京×1兆倍という空前絶後の大増量!
冷静に考えるなら、天の神様は2人を本当に星にしたのではなく、ベガとアルタイルに島流しのように、
“星流し”にしたのではないでしょうか。もちろん、これらの星は燃え盛る恒星なので、それらを取り巻く
惑星に流されたのでしょう。
しかし、それらの惑星での生活は苦しかったはず。2つの星は表面温度が高いため、強烈な紫外線を放ち
ます。こんな星で暮らしているということは、まるで日焼けサロンで暮らしているのと同じ!
織姫も彦星もガングロ! しかも、ベガの方が大きくて表面温度も高いため、織姫の方が真っ黒けです!
★愛は科学を超える!
織姫と彦星を隔てる距離はあまりに遠い! 太陽系以外の天体の距離を表す単位を「光年」と言いますが、
地球からの距離は、ベガが25光年、アルタイルが16・8光年。そして、ベガとアルタイルの距離は
14・6光年、140兆qも離れています! これは東京から沙紀ちゃんの出身地・熊本までの1500億倍
という、超〜遠距離恋愛なのです!
毎年7月7日に、神様は2人のために鵲の橋を渡してくれると言いますが、橋が完成しても、それを渡る
織姫と彦星の苦難は並大抵のものではありません。何しろ、普通に歩いていたら、20億年もかかります!
14・6光年とは、この宇宙で最も速い光ですら14年6ヶ月かかる距離なのです!
2人に希望があるとしたら、1905年に物理学者のアインシュタインが発表した「相対性理論」。
この理論によれば、ものすごい速度で運動すると、時間の経つのが遅くなります。織姫と彦星が猛烈な速度
で近づけば、14・6光年を1日で駆け抜けることも出来ます。例えば、7月7日の午前0時に出発して午後
7時に遭うとすれば、与えられた時間は19時間。これで14.6光年を進むための速度とは、光の速さの
99・999999988%。マッハ88万!
しかし、19時間とは、あくまで「2人にとって」の時間。我々地球人にとっては、14・6光年を両側
から、ほぼ光速で移動するのだから、出会うまでに7年3ヶ月かかります。帰りにも同じ時間がかかる
ので往復でやはり14年7ヶ月。地球人にとっては、七夕が14年7ヶ月に1回しかないことになります。
それでも2人は、我々から見ても、1年に1回遭っています・・きっと、光の速度を超えて進んでいるの
でしょう。愛は科学を超えるのですね。
★ウルトラマンが3分なら、2人のカラータイマーは4分だ!
それにしても1年にたった1日とは、あまりに短いです。これは、毎日会っているカップルが、1日に4分
しか会えないようなもの。北海道と熊本から、それぞれ羽田まで飛行機でやって来て、4分経ったら、もう
さようなら。あるいは、1日に4分だけテレビ電話で話す、というようなものかもしれません。
織姫と彦星は、これを2500年も続けてきたのです。それが人間の2500日に当たるとすれば、
6年10ヶ月。彼女が15歳なら、22歳になってしまいます。こんなに長い間、1日に4分だけの
デートで我慢してきたとは、半端な愛じゃありません! 2人の愛は本物です!
それにしても、仕事をサボってデートしたということに対して、あまりに罰が重すぎると思いませんか?
神様なら、何でもお見通しのはず。2人の心もわかるでしょう。
もうそろそろ、織姫と彦星を許してあげてもいいですよね〜
これぞ、宇宙一の遠距離恋愛。
2人の七夕のお願い。
両方とも叶いますように・・
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