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4月17日 小原信治の草の根広告社
『昭和やったね』
 
 週末、久し振りに里山の畑で汗を流した。夏野菜の苗を定植する為に必要な土作りだ。ひとしきり耕したところで、鍬を放り出し、腰を伸ばす。山の上から吹き下ろすやわらかな風が額の汗をぬぐってくれる。ウグイスの鳴き声と川のせせらぎ。ほかには何も聞こえない。雲が流れる音まで聞こえそうなくらい、静かな午後だ。

 ここで畑仕事をしていると、いつも「懐かしい未来」という言葉を思い出す。
「懐かしい未来」
 スウェーデンの女性環境活動家ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ氏の著書のタイトルだ。自給自足生活を営んでいたヒマラヤの辺境ラダックに近代化の波が押し寄せる。経済と開発が伝統的な暮らしを破壊し尽くし、それまで存在していなかった「貧困」を生み出した後、人々が選んだ未来は、というルポルタージュだ。

 人々がそこで何に未来を見出したかはタイトルを見ればいわずもがなだろう。
僕自身、農業と出逢い、海と里山のあるこの町で暮らすことを選んだせいか、同じような「懐かしい未来」を目指して生きている人や地域を数多く目にするようになった。だからなのだろうか。少年時代を過ごした故郷長崎の風景を歌った福山さんの「昭和やったね」を聴いて「過去のことを歌っているのに、未来のことのように聞こえる」と感じたのは。

 山を切り崩した造成地に建てられたマンモス団地で僕は育った。公園の人工的な緑や家庭用排水で汚れた川が僕の昭和だ。本来、懐かしいと感じるべきはそちらの風景だ。昭和の里山の風景を、僕は知らない。だから今、目の前に広がっている海を望む里山のこの風景は、そして「昭和やったね」で描かれている昭和の風景は、僕にとって懐かしいものではなく、今であり、未来だったのだ。

 そんな「なつかしい未来へ」という価値観は、復興に取り組んでいる東北でも広まっているという。都会のスマートシティとともに、「昭和やったね」のような風景もちゃんと存在する未来であって欲しいとこの曲を聴きながら改めて思った。

 畑仕事を終え、家に帰って鏡を見たら、顔がじんわりと日に焼けていた。
 夏はもうすぐだ。

小原信治
投稿時間:2014-04-18 07:13:27
 
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