福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル 魂のラジオ 毎週土曜日23時30分から25時までオンエアー。
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3月6日 小原信治の草の根広告社
『こころのでんわ』
 
 まだインターネットで世界中の人がつながる前の話だ。福山さんのオールナイトニッポンが月曜1部だったときに『出せない手紙』というコーナーがあった。今、同じ空の下でこのラジオを聴いているかもしれない大切なあの人に、伝える術のなくなってしまった「想い」を届ける。そんな時間だった。

 誰もがひとつは、あの日、あの時、あの場所で言えなかった言葉を胸に日々を生きているんだな。きっと思い出すたびに後悔しているんだろうな。そして、空を見上げてはこの「出せない手紙」を何度も心の中で綴って来たんだろうな。毎週届けられる手紙を読みながら、僕自身も心の中で自分自身の「出せない手紙」を何度も何度も綴って来た。

 「出せない手紙」をボトルに詰めて海の向こうに流せば流すほど、返事のないあの人への想いは募る。「つながりたい」「つながっていたい」という願いは強くなる。

 やがて、インターネットが生まれた。世界中のひとが繋がれるようになった(という希望を多くの人が抱いた)。ある女性から「ヤフーの検索サイトで昔好きだった人の名前を検索したけど出てこなかった」という話を訊いて、僕は8251net.com(初恋ネットドットコム)というインターネットサイトを作った。

 でも「つながりたい」という希望がこうした文明の力で現実に叶えば叶うほど、一方で「つながれない」という事実も明確化され、人を絶望させてしまうことを改めて知った。


 岩手県大槌町。海を一望できる高台に置かれた電話ボックスのことを今週、新聞で知った。ガーデンデザイナーの佐々木格さんという方が「逢えない家族や友人と、もう一度心を通わせてもらえたら」という願いを込めて、2011年の4月に自宅の庭に設置したものだという。
 『風の電話』と名づけられたその白い木製の電話ボックスに、電話線はつながっていない。

「風の電話は心で話します。静かに目を閉じ耳を澄ましてください。風の音が又は浪の音が或いは小鳥のさえずりが
聞こえてきたなら、あなたの想いを伝えて下さい」(電話ボックスに書かれた文章より)

 つながっていないからこそ、つながれるのかもしれない。それが、心という想像力を持つ、人の力なのかもしれない。

 もうすぐ3年が経つ。目に見える復興もまだまだという場所も数多くある中で、「心の復興」という言葉も聞こえて来るようになった。それは、真の復興をもたらしてくれるのは、経済や文明ではなく、心という力だけだからなんだと思う。

「我が命の全またけむ限り忘れめやいや日に日けには思ひ増すとも」
(命ある限り、あなたのことを忘れることなどあるものか。たとえ恋心が日に日に増すことはあっても)

 万葉の昔から、人は誰もが心に電話を持っている。それは、いつでもどこでも、誰にでもつながることができる電話なのだ。

小原信治
投稿時間:2014-03-06 13:06:45
 
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