福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル 魂のラジオ 毎週土曜日23時30分から25時までオンエアー。
魂ラジブログ
2011年12月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリー
・すべて表示
・魂ラジレポート
・福山雅治インフォメーション
・魂ラジインフォメーション
・最愛
・5年モノ
・スタッフ日誌
・小原信治の草の根広告社
 
ニッポン放送がインターネットで聴けます!!
すべて表示
12月6日 魂ラジレポート
世界エイズデー@
12月1日は世界エイズデー。日本のみならず世界中でエイズについて正しい理解を深めるための様々なイベントが開催されましたが、魂ラジでは今年も専門家の岩室紳也先生をお迎えしてエイズについて、セーフセックスについて考える時間を設けました。岩室先生は昭和30年生まれの56歳。公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センターでセンター長を務められているほか、神奈川県厚木市立病院泌尿器科で治療に当たられている現役のドクターです。

F「今日も一緒にお送りしてくださるのは、今回3度目の登場となるこの方。現役ドクターで“コンドームの達人”こと岩室紳也先生です。よろしくお願いします。」
I「コンドームの達人、岩室です。よろしくお願いします。」
S「今年もコンドームネクタイですね。」
I「これしかないんで。」
F「これしかないってことはないでしょう(笑)」
S「魂ラジでは毎年、『コンドームをつけましょう』『エイズ検査を受けましょう』『HIV感染者とエイズ患者は違います。たとえHIVに感染しても投薬でエイズの発症を抑えれば、今までと同じように暮らすことができます』など、基本的なことを発信してきていますが、なかなか広まっていかない部分があったりとか。」
I「そうですね。広がらないということもありますが、セックスでうつる病気ですから若い人の問題ということもあるんですね。若い子たちは毎年100万人単位で増えていきますから、そこに情報が伝わらない。そして、年配の方は逆に『他人事かな。』と思っていて忘れてしまう。その繰り返しのような感じがしますね。」
F「去年と変わったことって何かありますか?国内のエイズを取り巻く環境について。」
I「去年と大体同じくらいの数、1500人くらいがHIVに感染しています。これは4年ぐらい同じペースで増えていますね。」
F「昨年はあまり知られていないケースとして、タトゥーを入れたときにその針から感染したという患者さんのお話を聞かせていただきましたけど、今年の先生の患者さんたちの状況はいかがですか?」
I「今年も変わらず、ゲイの方同士で感染するというケースが一番多いですね。」
F「男性同士のセックスの場合、コンドームはなしで?」
I「そうですね。男と女だと、男がコンドームを出してくると『妊娠のことを考えてくれてるんだな。』って愛情表現になるんですけど、男同士だと『え?お前病気?』『いや、持ってないよ。』『じゃあ、俺のこと疑ってるのか。』という会話になりかねませんよね。だから、なかなか使いにくい。でも、同性愛者の子で、中学のときに私の話を聞いてちゃんとコンドームを使ってHIV感染を防げているという子もいますので。」

○ラジオネーム:雅紀さん(東京都・17歳)
「僕は同性愛者で、今は4つ上のパートナーと真剣に付き合っています。セックスのときは気をつけているつもりですが、やっぱりコンドームをつけるのが我慢できなくなりそうなときもあります。HIVは怖いけれど、男同士でのそういうことを教えてくれる場所がまったくなくていつも不安です。福山さんも処理に困るメールかもしれませんが、一緒に考えてくださると嬉しいです。」

F「全然困りませんよ。」
S「まさにこういうことで悩んでいる男の子がいますね。」
I「とにかくコンドームを使うということ。それから、同じような悩みを持っている子っていっぱいいますよね。ゲイの方たちが作っているホームページには相談スペースもありますから、そういうところにアクセスしてみるとか。周りの仲間に『ちゃんとコンドームつけようね。』って言われたら、みんなつけようとしますから、そういう雰囲気を作っていってほしいですね。たまにはコンドームをしないこともあるかもしれない。でも、そういうときはきちんと検査すれば良いんです。」
F「2人とも感染していなければ、もらうことはないですもんね。毎年言ってますけど、検査をするってことが大切ですね。」

HIVウイルスの感染を予防する方法としてはコンドームをつけること、不安があれば早めに検査を受けること、この2つがやはり大切なポイントとなっているようです。そして、もしも検査で感染が判明した場合でも薬を飲み続けることでエイズ発症を防ぐこともできるのですが、今年は震災の影響で薬の服用が途切れてしまった患者さんもいらっしゃったそうなんです。

F「震災後、先生は被災地にも行かれたとうかがったんですが。」
I「陸前高田に毎月入ってます。最近は宮城県女川町にも行かせていただいています。」
F「今回、今まで経験したことがないような大きな災害によってライフラインである医療機関もなくなってしまったという状況だったと思うんですが、HIVの感染者の方はどうされていたんですか?」
I「被災地で困るのはやっぱり医療なんですよね。薬も流されてしまう。それから、場合によっては医療機関もドクターも流されてしまう。そうすると、本当は中断したらいけないのに薬を中断せざるを得ないことになったり、今までより遠い医療機関に通わなきゃいけないというような大変な思いをされていますね。一つ心配なのは、陸前高田では保健師さん9人のうち6人が津波の犠牲になってしまったんですね。ですから、予防啓発とかずっとやっていたエイズのイベントもできなかったりということもあり、関心が低くなって感染拡大につながってしまうんじゃないかと心配しています。」
F「僕もコンサートが青森であったので、夏ぐらいに陸前高田も通ったんですけど、本当に壊滅状態のところがたくさんあって、道路が寸断されているところもあって。医療機関がなくなった状況のとき、相当現場はパニックだったんじゃないかなというのが想像に難くないんですけど、すぐに『お医者さん来てください。』と連絡が回った感じだったんですか?」
I「いや、医療に関しては阪神淡路大震災のときの経験が生きていて、要請がなくてもチームがすぐ入るっていうシステムになっているんですね。それがすごく良く機能してくれたんですけど、どちらかと言うとけが人を想定していた入り方だったんです。ところが、命があるかないかという状況でケガをされた方はそれほど多くない。それよりも、そのあと血圧の薬がないとかHIVの薬がないというところでみなさん困っていらっしゃいましたね。」
F「被災地にもHIVキャリアの方が暮らしてらっしゃったと思うんですが、どういうケアをされていたんですか?薬をやめるってことはできないじゃないですか。毎日飲まなきゃいけないから。」
I「そういう方々はその場でっていうのは難しくて。避難所で『私、HIV患者です。HIVの薬がありません。』って言いにくいですよね。なので、どんどん内陸の方の病院につなげるっていう支援は入っていきました。」

また、新聞等で被災地で人工中絶が増えているという心配なニュースを目にした方も多いと思います。その原因や性生活に関する被災地の現状を岩室先生にうかがいました。

I「被災地に支援物資として食べ物は入りましたけど、コンドームは入っていったか。入らないですよね。」
F「やっぱり少ないんですか?」
I「というか、来ないですよね。来たとしても誰にどういう形で配るのか。『必要な人持って行ってください。』っていうのも難しいですよね。コンビニもスーパーもドラッグストアもないっていう状況ですし。」
F「送る側もそこまで気が回らなかったと思いますけど、送りにくいっていうのもあると思うんですよね。」
I「そうなんです。コンドームがもっと当たり前の物資のひとつになっていくというふうにしないと問題ですよね。性生活っていうのはごく当たり前のことですよね。寂しくなったり、ギュッと抱きしめてほしかったり、触れ合いたいというときにコンドームがあれば、妊娠も防げるし、感染も予防できるわけですけど、なければ『まあ、いいか。』となってしまいますよね。だけど、今の状況で産めるのかと考えると中絶が増えていく。そういうところまできちんと支援していかなければいけないんだなと思います。」
F「生き物の性質として、生命の危機を感じるという状況になると本能として子孫を残そうということになる。9.11の後も子どもがたくさん産まれたと言われてますし、そういうのも考えられるんですか?」
I「そうですね。『被災地でセックスなんてするの?』と思われるかもしれませんけど、避難所でとはいかなくても今回、東北では身内・知り合いの方のところに身を寄せている方も多くて。個室があったり、プライベートな空間があれば、当然セックスもしますよね。」
F「極端に言えば、人は外でもしますからね。」
I「はい(笑)」
S「非常用持ち出し袋にコンドームを入れてはいないですしね。」
I「そうですね。財布に入れたって検閲されるような雰囲気が世の中にはあるじゃないですか。学校なんかでは絶対怒られるし。」

もし仮に再び大きな災害が起こったとき、今回の事例を参考にコンドームを支援物資として送るという動きがあれば、災害に遭った方も病気の感染や望まない妊娠などの不安を抱えることなく生活することができますよね。

明日も世界エイズデー特番についてお伝えします。
お楽しみに☆
投稿時間:2011-12-06 22:09:07
 
Copyright © 2014 Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.