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4月17日 小原信治の草の根広告社
ミシュランと世界遺産。
 
 たった今、銀座にある鮨の有名店「久兵衛」でお寿司を頂いてきた。昭和10年創業。北大路魯山人や志賀直哉も足繁く通った老舗であり、ウニ・イクラの軍艦巻きを発明したことでも知られる店だ。もちろん以前から知ってはいたし、手掛けている番組などにも何度も協力して頂いていたのだが、行くのは初めて。家の近くに市場があり、寿司ならそこに新鮮なネタを安く食べさせてくれる店が何店もあるのでわざわざ自腹で高級店に行ってまで、と思わなかったこと。それと、昨年のミシュランガイドに載った店々の観光地化騒ぎをテレビなどで見ていて、予約が取れないとアナウンスされていたのがこれまで足が向かなかった理由だ。行くことにしたのはあるテレビ局の方から汚職事件…じゃなくてこちらのお食事券を頂いたからだ(^_^;)
 とはいえ、板前さんがサシで握ってくれるというカウンター席はまさに寿司詰め状態。だったらゆったりできるとこがいいやとテーブル席で寿司懐石を待ちながら、ふと思い出したのが、3年前にCrazy Horseツーリングで北海道は道東を旅したときに訪れた知床の寿司屋さんのこと。ちょうど世界遺産に登録されて話題になっていた頃だったのだけれど、その店を初めとする地元の方々が喜ぶどころか、それを迷惑がっていたのが意外だった。あとで調べて分かったのだけれど、世界遺産に選ばれると、それこそ世界中から大挙する観光客の為にホテルを作ったり交通機関を整備したりと選ばれた側の出費は相当の額に昇るらしい。もちろん貴重な自然環境を次世代に残してゆく為には必要なシステムだと思うのだけれど、実際そこで暮らす人たちにしてみればそんな綺麗事ばかりも言っていられないのだろう。世界遺産といえば最近、屋久島に行ったときのこと。地元の人の話によると、屋久島は世界遺産に登録されるまでは鹿児島では「貧乏島」といわれていたそうだ。ロケット打ち上げ場の誘致に成功したおかげで収入を得ていたお隣りの種子島に比べ、漁業以外にたいした産業も、観光の呼び水もなかったからだそうだ。ところが世界遺産に登録された途端、世界中から観光客が押し寄せ、島の収入はイッキにお隣りの種子島を抜き去ったそうだが、こちらも環境を守っていこうという意識が高いのは、以前からこの島で暮らしていた人たちよりも、この島が世界遺産になったことで守っていかねばならない自然でありながら、観光資源としてお金にもなるということを熟知している、外からこの島に移った人たちだったような気がした。
 そんな世界遺産とは意義も目的も全く違うけれど、選ばれることでそのブランド性や物珍しさも含めて人が押し寄せることになる「ミシュランガイド」。そして、その中のひとつに選ばれた銀座のお寿司屋さん「久兵衛」。長年のたゆまぬ努力の賜物だろう。総勢20数名という板前さんたちをはじめ、従業員たちの士気も上がっただろう。ミシュランガイドに載ることを辞退した店もあったと聞くのでその辺りのリスクは承知の上でのことなのだろうが、世界中に名が知れたことで得るものもあったと同時に、失うものもあったはずだ。
 寿司は本来、庶民の食べ物として発展したのだという。
この店が有名になるずっと前からここに通っていた近所の人たちは、地元の店が今や世界遺産みたいな寿司屋になってしまったことをどう思っているんだろうと、この店を愛していたという魯山人の器を見ながら、ふと思ったりした雨の日の夜だった。

小原信治
投稿時間:2008-04-17 23:40:55
 
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